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2012-04-22

Hollow Wooden Surfboard 木のサーフボードを作る

 現代のサーフボードは主に発泡体でできているが、昔は木でできていた。ハワイの歴史を紹介するテレビ番組でそれを知った。しかも中空のものがあったという。

 インターネットで検索すると、中空木製サーフボード(Hollow Wooden Surfboard)の関連サイトやブログが見つかった。いずれも完成品やキット、図面を販売したり、作り方を紹介している。YouTubeでも動画が多数公開されている。自分にもできそうな気になった。
Paul Jensen Surfboard
Wood Surfboard Supply
・Hack's hollow wooden surfboards (Bahrman Rails)
Grain Surfboards
Chesapeake Light Craft

など。

【欲求】★★レベル2
 欲しい、には留まらない。いろいろな人とつながりを持てそうだ。実現するか分からないが、いつか作ってみたい。

 そう思いながら数年が過ぎた。いつか誰にも言わずに始めようと思っていたら、先にやっている人がいた。千葉市の nobbywood surfboards では、2007年から木製サーフボードを製作していた。

美しい木目のボード。フィンボックスがついている。

 代表のnobbyこと大川信仁氏は、ホームページで日本の伝統的なボディボート(ベリーボード)である「板子乗り」の情報を求めていた。日本の先駆者に敬意を表してボディサーフィンすなわち波乗り(板子乗り)について書く。

 ここで言う板子とは、日本の伝統的なベリーボード。構造はソリッド、材料は杉。寸法は、長さ1'6"〜3'、幅12"、厚さ1"。板全体としては長方形、平らで、角ばっている。フィンもない。レスキュー用のパドルボードとしても使われた。
 続きは次の記事で。

 12-05-13 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 サーフィン雑誌「Blue.」No.35、2012年6月号
の「誇り高き日本のクラフトマンたち」に、nobbywood surfboardsの大川信仁氏が紹介された。
 その製作技術や細やかな配慮に驚いた。作業台や工具を自作。材料の桐は新潟県津南町産、ボードに使う材料は1本の木から取り、組み合わせる時には木が育ってきた方向(根から空へ)を揃える。重量配分はフィンをつけた状態で理想的になるようにする。表面はニスを塗り重ねる(13回以上!)。
 そしてロッカーがある。サーフボードにはロッカーがあるのが当たり前のように思えるが、それは違う。材料がフォームとFRPなら形は自由に作れるが、木製の中空構造でロッカーをつけるのは大変だ。記事の最後に「モダンウッドボード」という言葉があったのがふさわしく思えた。


 2年ほど前、Wood Surfboard Supply から「Building a Hollow Wooden Surfboard v8.3」という中空木製サーフボードを自作するための手引きを買ったが、内容は初心者向きで、主にベニヤ板と接着剤、表面はグラスファイバーの積層で作るものだった。
 大川氏のボードはこれとはレベルが違う。表面はニスを使って仕上げる。サーフィンなどのウォータースボーツは、自然に親しんでいるようで、実は道具はポリウレタンフォームや、ガラス/炭素繊維で強化されたプラスチックなど自然界に存在しない材料を多用する。でも木のボードなら、最後は土に還ることもできる。
 改めて Wood Surfboard Supply の手引きについて調べると、内容がここ数年で充実しているようだ。この分野に興味を持つ人が増えてレベルが上がったのだろうか。
 楽しいことはみんなやりたいのだ。いつかこっそり始めるのは無理だったが、木製サーフボードに関心のある人がいると分かり嬉しく思う。

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